私は総合商社に入社し、5年間勤めてベンチャー企業に転職しました。
そんな私の経験、学びをもとに、
「商社で働いているが、ベンチャーへ転職したいと考えている」
「商社からベンチャーに転職して実際どんな感じか知りたい」
こんな方のために書きました。
微力ながら、みなさんのキャリアパスの参考になると嬉しいです。
私が総合商社から転職した理由
私は新卒で、7大商社と言われる総合商社に入社し海外ビジネスをメインとしている事業部で総合職として5年間働きました。
その後、創業間もないベンチャー企業に転職を決意しました。
色んな反対を押し切り私が総合商社を辞めた理由は簡単にまとめるとこちらです。
・自分の担当事業範囲が狭すぎると感じたから
・キャリアプランが描きづらいと思ったから
・商社での社内営業・接待が合わなかったため
1年前ぐらいに上記理由で転職を考え始めました。その後、色んな転職先を見て創業したてほやほやのベンチャーに転職することを決意しました。
私が総合商社を辞めた理由をもっとここでも話し続けたいのですが、全部書き連ねると長くなってしまうので
詳しくはこちらの記事で説明しているので是非興味ある方はあわせて読んでください。
若手の働き方、業務内容など商社の実態がわかるかと思います。
総合商社からベンチャー・スタートアップに転職して感じた「リスクとリターン」
それでは本題に。
最初に言っておきたいのが、大企業からベンチャーに転職することは光と影が存在するということ。
一見、大企業を捨ててベンチャーへ行くということは挑戦者のようにかっこよく見えるかもですが、転職先のベンチャーで金銭以外のリスクも存在します。
今回は、私の経験により、「報酬面」、「仕事のやりがい」、「成長性」という3つのテーマで創業商社からベンチャーに転職して感じたリスクとリターンを解説します。
【年収・報酬面のリスクとリターン】総合商社からベンチャーへの転職は大幅な年収ダウンを覚悟する
リスク
・ 総合商社の年収レベルだと年収アップor維持できる転職先は限定的。ベンチャーなら大幅な年収ダウン(=生活レベルを下げる)を覚悟するべき。数年後にはもっと広がる可能性あり。(総合商社では30歳で年収1,000万円オーバー出来る)
・ 総合商社の福利厚生(住宅手当、出張手当等)は神レベル!小さなベンチャーへ転職するとそんなものは存在しないです
リターン
・ ベンチャーでは、ストックオプション(将来株に転換する権利)をもらえるケースが多い。上場やM&Aされれば数年後に多額のキャッシュを出来るチャンスがある! 当たれば総合商社の生涯年収を余裕で越える資産が数年で手に入る可能性がある。→これがスタートアップの醍醐味ですよね
・ ベンチャーでは、総合商社のように階級や役職が細分化されておらず、年齢や年次に関わらず実力で昇給や昇格できる。→ 外資に近い人事評価かと思います。
【仕事のやりがいに関するリスクとリターン】ベンチャーに転職すればやりがいがあるのは神話?!
リスク
・ 総合商社での仕事でやりがいが感じられなくてベンチャーに飛び込んだとしても、「自分が社会的に価値があると思う事業」が出来るとは限らない。その場合、総合商社での仕事以上にやりがいが感じられないリスクも。。
・ 事務作業などでやりがいが感じられないときがあるかも → 総合商社では、バックオフィスと言われる営業サポートする部門が存在する。ベンチャーの場合はそんなものないので、請求書作成、振込、会計処理、オフィス文具の購入等自分でやらないといけない時がある。1日の大半をその作業に費やすことも多々ある。
・ ベンチャーでは、能動的に動けないひとはかなりヒマになる。支持されて仕事をするスタイルではないため、自分で考えて動くことが要求される。
リターン
・ 総合商社とは真逆で、ベンチャーは何と言っても「少人数先鋭制」。メンバー一人ひとりの裁量、責任、担当範囲が格段に広いです。
・ リスクと表裏一体ですが、ベンチャーでは、自己解決をする強いられるシーンが圧倒的に多いと感じます。総合商社では先輩、上司にお伺い立てたり、支持されて仕事をするスタイルですが、ベンチャーの場合は、能動的に行動をおこし、解決することができる。
【成長性リスクとリターン】ベンチャーに潜む「成長を妨害するもの」とは?!
リスク
・ ベンチャーは程幅広く、深く仕事をトライ出来ない可能性があるということ。ベンチャーでは資金力や組織力不足により、最初は思ったより”色んなこと”にトライできません。なので出来ることは制限されます。例えば、色んなデジタルマーケティング施策や開発制限など。 また、中小企業によくある「ワンマン経営」なとこも少なくありません。そうすると自分がやりたいことは制限されます。
リターン
・ ベンチャーでは若くして組織をマネジメントする経験が出来る可能性があるということ。これは総合商社の10-30歳ぐらい早く経験できます。例えば、総合商社で部長になれるのは、早くて40代後半。ベンチャーの場合は20代でも数十人、数百人の組織のトップになれる可能性があります。格段に成長スピードが違いますよね。
ベンチャーへ行ってしまったら二度と大企業へ戻れないのか?
決してそんなことはありません。
結論から言うと、「大企業を捨てる」というよりかは、「大企業を自分から離れる」というイメージです。
大企業は常に仕事があり、優秀な人を募集しています。
ということは、ベンチャーへ行って、ゴリゴリに成長すれば、どこへ行っても通用しますし、市場価値は高まります。
なので、実質「リスクフリー」です。
「ベンチャーいったら大企業に戻れないのか?問題」について詳しく解説している記事はこちら↓
総合商社からベンチャーに転職する最適な方法 【実体験談】
リスクとリターンを解説しましたが、とはいえすぐにベンチャーへ飛び込むのは正直勇気がいると思います。
私がおすすめする総合商社からベンチャーへ転職するまでのステップはこちらです。
・1. まずは転職エージェント・サイトに登録し、マッチする求人を紹介してもらう
・2. 気に入った企業から面接していく→内定もらった後も質問したり取り合う
・3. 内定もらっていきたいと思った企業は、最初はパラレルで働いてみる(Zoomでミーティング参加する程度でOK)
・4. 実際に働いてみて入るか決断
ポイントは「現職を辞める前に、内定承諾する前に実際にチームの中に入って働いてみる」というところです。
週1回定時後いいのでその企業にお願いしてみることをおすすめします。社内メンバーを知れるし、現状の課題を理解することが出来ます。自分がどんな価値が出せるのか?メンバーとは合いそうか?というのが直感的にわかると思います。
【ベンチャー志望なら登録マスト】ベンチャー転職に強い転職エージェント&転職サイト
実際に私が転職する際に登録していたエージェントとサイトです。ここからエージェントと面談していろいろ紹介してもらっていました。ベンチャーの転職を考えているならまずこの4つ登録しておけばOKかと思います。
・リクルートエージェント
→ 実際に利用して一番ベンチャーの求人を紹介してくれた。総合型なのであらゆる業種・職種をカバー。特に都市部のITベンチャーに強い傾向。
・JACリクルートメント
→ ミドル・ハイクラス案件専門エージェント。ベンチャーの幹部候補・管理者の求人を紹介してくれる。(規模はやや大きめのベンチャー志望者向け)
・マイナビエージェント
→ ベンチャー企業求人多数。会社規模も小~大まで揃えている。
・プロコミット
→ 未上場の小規模ベンチャー・スタートアップに強い。立ち上げメンバーを狙うならここ。
転職して感じたのは、転職活動において転職エージェントの有効活用がかなり重要ということです。
この記事でベンチャー・スタートアップ転職に転職エージェントを詳しく解説しているので是非どうぞ。
転職エージェントの活用方法、活用シーンについてこちらの記事にまとめたのであわせてチェックしてみてください!
総合商社マンの人気のキャリアパスは?
私は、「ベンチャー」「ベンチャーキャピタル」「コンサル」の3業種を転職先として検討していました。
では他の総合商社出身者から人気なキャリアパスはなんでしょう?
商社時代の同僚でキャリアパスはこちらです。
・コンサル
・スタートアップ/ベンチャー
・投資・金融系
知人の商社マンのなかで一番多いのはコンサルです。ベンチャー・スタートアップはその次ぐらいな感じです。
総合商社からのキャリアパスについてこちらの記事で詳しく解説しているので是非どうぞ!
総合商社から転職して後悔しているか?
私がよく、知り合いに聞かれる質問です。
後悔はありません。人生は一度で、人間の労働期間も限られているので「自分がやりたいことを追求する」と、社会人になったときから決めていました。
たしかに総合商社の高収入からはDownしていますが、スタートアップ・ベンチャーには一発逆転の可能性を秘めています。会社の規模も個人の年収も。
そんな共通の目標を持ったメンバーと一緒に働くのは楽しいです。数万人いる前職の総合商社ではまず感じられない一体感、団結力を感じられます。
関連記事:総合商社から転職した感想。後悔は?商社マンの次なるキャリアを紹介
まとめ:リスクよりリターンが越えていると感じた人はベンチャーへの転職を是非挑戦してみてください!
この記事では「報酬面」、「仕事のやりがい」、「成長性」という3つのテーマで総合商社からベンチャーへ転職するリスク、リターンを解説しました。
どんな選択にもリスクは付きものです!リスクよりリターンが越えていると思ったら是非ベンチャー企業へ転職し、世の中に新しい価値を生み出してください!