英語を勉強していると、どうしても「正しさ」にこだわってしまいませんか?文法を間違えずに言えるか、
発音は大丈夫か、TOEICや英検の点数はどうか…。もちろん、基礎的な正確さは大切です。
しかし実際に海外で生活したり、外国人と仕事をしたりして感じるのは、英語で本当に大事なのはシチュエーションに合わせて「相手に伝わること」だという点です。
私は日本で英会話教室に通っていましたが、当時TOEIC800点くらいでした。
リーディングもリスニングもある程度できる、そんな自信を抱えてオーストラリア留学に飛び込んだのですが、現地で最初に直面したのは「全然通じない」という現実でした。
現在は英文メールを日に10数件する在宅ワークをしています。これまで感じてきた「英語を気がるに使うにはどうすればいいのか?」「英語をお仕事に使うには?」への思いを記事にしてみました!
日本での英語授業と実際の英語のギャップ?
日本の英語教育やTOEIC対策で重視されるのは、正しい文法やフォーマルな言い回しですよね。
私もその延長で、会話のときに「Please」をつけすぎたり、「Could you…?」を子供や友人にまで多用していました。日本語に置き換えると、友達に「恐れ入りますが、こちらをしていただけますでしょうか」と言い続けているようなものです😅
その結果どうなったかというと――相手は「ん?」「いちいちそんな風に言わなくていいよ!」とのこと。
つまり、文法的には正しいのに、シチュエーションにそぐわない表現だったのです。
日本語でも同じことがいえると思うのですが、文字で書いた英語と、しゃべる英語は本質的に違いますよね。
日本の学習環境はどうしても「文字ベース」で、教科書に出てくるような会話をそのまま暗記してしまうことが多いですが、現地ではもっとカジュアルでシンプルな表現の方が自然です。
シンプル過ぎる英語も、ビジネスではマイナスになる
逆に、仕事の場で「わかりやすさ」ばかりを意識しすぎるのも問題です。
例えば、ビジネスメールで「I want report.」のような短すぎる文章を使えば、確かに意味は伝わりますが、読み手にはぶっきらぼうで未熟な印象を与えてしまいます。
英語圏のビジネスシーンでは、適度に丁寧で洗練された表現が求められます。
ここで難しいのは、「フォーマルさ」と「わかりやすさ」のバランス」です。
特に国際ビジネスの現場には、英語を母語としない人が数多くいます。
そこで高度な単語や複雑な言い回しばかり使ってしまうと、逆に伝わりにくい。
つまり、「難しい=賢い」ではなく、「伝わりやすい=有能」と評価されるケースが多いのです。
シチュエーション別に英語を使い分ける重要性
そこで必要なのは、場面に応じた英語の使い分けです。
1. 日常会話
友人や子供との会話では、短くてシンプルな表現が自然です。こうした言い回しの方が親しみやすく、相手にスッと伝わります。
- 「Could you close the window, please?」ではなく「Can you close the window?」
- 「Would you like to~?」よりも「Do you want~?」
いまでも覚えているのが、2歳の女の子がママに意地悪を言った時、
「Be nice to Mum!(ママに優しくね)」といったパパの言葉。
そしてママ達が遊び場で言っていたセリフ。
「Pack away! (片づけなさい!)」こういうシンプルなのって教科書英語じゃ思いつかないですよね!
2. ビジネスカジュアル
同僚とのやりとりや社内メールでは、フォーマルすぎず、フレンドリーすぎない表現がベストです。
- 「Let’s discuss this tomorrow.」
「この件は明日話し合いましょう。」 - 「I’ll share the details with you by email.」
「詳細はメールでお伝えします。」 - 「I’ll get back to you soon.」
「折り返しご連絡いたします。」
こうした表現は簡潔でわかりやすいですが、砕けすぎてはいないため安心感があります。
3. ビジネスフォーマル
取引先やお客様、目上の人への連絡には、一定の丁寧さが必要です。
- 「I would appreciate it if you could~」
「ご確認いただけますと幸いです」 - 「Could you please confirm the attached document at your earliest convenience?」
「お手数ですが、添付書類をできるだけ早くご確認いただけますでしょうか?」 - 「If you have further questions, please let us know.」
「ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください」
TOEICで学ぶような表現は、むしろこうしたシーンで役立ちました。
ビジネス英会話とビジネス英文メールの参考になった本たち
ビジネスで使う英語の丁寧さの加減って、実際使わないと分からないし例文が欲しいですよね?
そこで英文メールには「ビジネスパーソンの英文メール」(Shawn M.Clnkie / 小林敏彦)という本を、
英会話としては「5つ星ホテルのトレーナー直伝 売上増につながる英語接客術」(イアン ジョーダン (著), 椿 正晴 (翻訳)の本を参考にしました。

「ビジネスパーソンの英文メール」より
(Shawn M.Clnkie / 小林敏彦)
実践的ですぐに使える英文メールの表現が分かりやすいです。在庫切れ、お詫びなどの表現もシンプルに記載されています。
この本で学んだ文章で、私がいまだによく使うのはこちら↓
「Your prompt attention would be greatly appreciated.」
「早急に処理頂ければ幸いです」
「It was a pleasure doing business with you.」
「この度はお取引をありがとうございました」

「5つ星ホテルのトレーナー直伝 売上増につながる英語接客術」より
(イアン ジョーダン (著), 椿 正晴 (翻訳)
「話し言葉でどんな会話がいいのか」って、相手によって違いますよね。
疲れている人にベラベラしゃべるのもよくないし、赤ちゃん連れや荷物が多い人に細かい説明を長々してもご迷惑になる事も。
英語がカタコトのお客様にここにあるようなきっちりした英語文章で話すのは混乱を招くだけです。
この本はどういう内容の言葉を話したらいいのかの参考になりました。
丁寧な話し方って、日本でも社会人経験の中で学んでいくと思うので、ビジネス英会話の足掛かりにピッタリな本でした。
便利な翻訳ツールとの付き合い方
今はChatGPTやDeepLなど、翻訳精度の高いツールが身近にあります。以前は「機械翻訳=不自然」という印象がありましたが、最近の精度は非常に高く、特にビジネス文章を整えるのに大いに役立ちます。
(昔のエキサイト翻訳やGoogle翻訳とは精度が全く違いますよ!)
長文を書く時に非常に楽になるので私も毎日使用しています☺
ただし注意したいのは、ツールをそのまま使うのではなく、最終的に自分で調整することです!
翻訳ツールが出した文章がフォーマルすぎる場合や、日常会話には不自然な場合もあるので、
「これは友達に言えるかな?」「この相手に対して硬すぎないかな?」と確認することが重要です。
翻訳ツールを「100%正解」と考えるのではなく、自分の英語力を補強するサポーターとして活用するのが一番賢いやり方です。
英語は「伝わる」がゴール
私自身、留学で痛感したのは「正しい英語を話すこと」と「伝わる英語を話すこと」は別物だということです。文法や単語の正確さにこだわりすぎて通じなければ意味がないし、逆に多少間違っていても相手が理解してくれればそれで目的は達成できています。
ホテルや色々な場所に掲載する注意喚起のポスターでも、長い文章や難しい単語だと第二言語が英語の外国人には伝わりません!
もちろん、TOEICや資格勉強は大切ですし、基礎的な文法や語彙がなければ応用もできません。ただ、その知識を「シーンに合わせて調整できるかどうか」が、実際の英語力を大きく左右します!
まとめ ― シチュエーションに合わせることが最強の英語学習
私が感じた英語を学ぶゴールは「高得点」でも「完璧な文法」でもなく、「相手に伝わること」です。
- 日常会話ではシンプルで自然な表現を
- ビジネスではフォーマルさとわかりやすさのバランスを
- 翻訳ツールは補助的に活用し、最終的には自分で調整する
この意識を持つだけで、英語でのコミュニケーションは格段にスムーズになります!
私も最初は「正しいけど伝わらない英語」で苦労しましたが、「相手がどう受け取るか」を意識するようになってから、英語でのやり取りが驚くほど楽になりました。
もしあなたが今、英語の勉強に行き詰まりを感じているなら、「正しさ」より「伝わること」に焦点をシフトしてみてください。きっともっと英語に触れるのが楽しくなりますよ!
【私が職場で実際に出会ったイングリッシュスピーカー達とのお話↓】
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